あいであのーと

それは備忘録の類い

有料と優良のこと

みなさんこんばんは。

いきなりですが、今回は私の作業環境を赤裸々に暴露します。別にネタ切れしたわけではありません。理由は後述。

 

まずはイラストについて――。

私はときどきイラストを描きます。動画の制作においても、イラストから用意する場合があります。

そんなとき、私はメディバンペイントというツールを使います。

medibangpaint.com

またイラストや素材の些末な調整、諸々の加工などはみなGIMPというツールによって行っています。

www.gimp.org

 

続いて動画――。

動画制作には、ずばりAviUtlを使っています。まさに愛用。ざっと数えても使い始めてから8年くらいが経っています。

spring-fragrance.mints.ne.jp

 

ここで、私が列挙した環境におけるある共通点にお気づきでしょうか。
正解はそのすべてがフリーソフト、すなわち無料ということです。

 

今回はそういった無料の道具を使うことと優良な作品を生むことについての考察。

 

逃げ道

私はどうしてフリーソフトばかりを使うのでしょうか。理由の一つは「逃げ道の確保」です。

 

かねてから私は、創作をはじめとする趣味に対して「絶対的な娯楽」であってほしいと願い続けています。これはどういうことかというと、楽しくない趣味に意味はないということです。

どういうわけかこの世に生をうけた私なので、せっかくなら存分に楽しみたいではないですか。そんな私たちが「楽しく」なるためのもっとも大きな手段の一つが趣味であり、創作はその部分集合と考えられます。

だから私はずっと、趣味を仕事にすることから避けてきました。趣味が楽しくなくなってしまったら、それは元も子もないからです。

 

話を元のところに戻すと、つまり私は有料のツールを手にすることで「趣味が仕事になる」ことを恐れているのです。お金を払った以上、そこには義務感のようなものが生まれます。それはときとして創作活動に対する触媒としてはたらくかもしれませんが、紙一重でしょう。

創作という行為は、人々を魅了するものである前に自身の心を救済するものだということかもしれません。さしずめエゴなのです。

 

方程式

もう一つの考え方は、少し数学的か物理的な話。

よく「お金をかければ必然的に良い作品が生まれる」という命題を耳にします。真偽はさておき、つまり良さはお金に比例するということでしょう。これを式で表します。 kは比例定数のようなもの。

 \displaystyle (良さ)=k(お金)

 

良さはお金と kをかけて得られるということになります。このとき、 kはなにを示しているのでしょうか。良さをお金で割った値なので、コストパフォーマンスと言えるかもしれませんね。

ここでお金を右から0に近づけてみます。するとどうでしょう、それは正の∞に発散するではありませんか。これは良さが一定の場合ですが。

 

なにが言いたいのかというと、同じ良さの作品を生んだ場合は使ったお金が少ないほど己の満足度が高いということ。∞が手に入ると聞いたら、なんだかうれしくなります。

 

答え合わせ

なんだかんだと言ってきましたが、どうですか。

 

フリーソフトを使うことによって、たしかにお金はかからなくなります。しかし実は、それによって逆にかかるものがあります。それは時間

有料のツールがなぜ有料なのか、無料のツールが使えるのにもかかわらずなぜ有料のソフトが選ばれるのか、それはなにより有料のツールが「便利だから」に違いありません。ひとえに便利といってもいろいろありますが、今回は時間短縮という側面に注目しましょう。

私たちは有料のツールという名の下、時間を買っているわけです。最近めっぽう忙しい私は今、このことを強く感じます。今回、本当に言いたかったことはコレでした。

 

そう考えると、先の kは結局のところ時間を表していたのかもしれません。なにせ「お金と時間をかける(×)ほど良い作品ができる」と言いますからね。おあとがよろしいようで。

 

それではまたいつか。

 

 

 

付録

方程式の話は、たとえば次を読むとよりわかりやすいかも。